■操作ヒント

■課題1

RT4の設定例は以下の通りです。他のルータも以下の設定に倣って設定していきましょう。

# configure terminal
(config)# router ospf 4
(config-router)# router-id 4.4.4.4
(config-router)# network 10.4.4.0 0.0.0.255 area 0
(config-router)# network 172.16.10.0 0.0.0.7 area 0

※「log-adjacency-changes」は設定しなくても自動で入力されています。

 

■確認1

RT1のshow ip routeの結果は以下の通りです。

RT1自身に所属しているネットワーク以外のセグメントが全て確認できるはずです。

また、RT1のshow ip ospf neighborの結果は以下の通りです。

4台のルータがそれぞれルータIDをネイバーIDとして表示していることと、「State」列でその時点でのDR/BDRが確認できます。

※上記表示だと2.2.2.2がDR、4.4.4.4がBDRですが、ご利用の環境で結果は変わります。

 

■課題2

RT2ルータのプライオリティ値変更のコマンドは以下のとおりです。

# configure terminal
(config)# interface FastEthernet0/1
(config-if)# ip ospf priority 100 (※他のルータより大きい値ならOK)
(config-if)# end

インターフェースはDRを構成したいネットワークに接しているインターフェースを選択します。

今回RT1~4がお互いに情報交換を行っているネットワークは172.16.10.0/29のネットワークですから、そのネットワークに接しているインターフェースであるFa0/1を選択します。

なお、OSPFは一度DR/BDRが選出されると、プライオリティ値が大きい(優先される)ルータが後からネットワークに参加してきても自動でDRが切り替わったりしません。

……というより、ルータを追加したらOSPFネットワーク全体が再計算されてその間通信できない、なんて嫌ですよね?!

なので、設定は正しいのに想定通りのルータがDR/BDRになっていない場合は「clear  ip ospf process」を実行して、OSPFの再計算をすることで、DR/BDRが再計算されて、想定どおりのネットワークが構成されます。

 

■確認2

要件を満たすコマンドは「show ip ospf interface fa0/1」です。
BDRであるRT3で実行すると以下のような表示になります。

 

■確認3

シミュレーションモードでOSPFの流れを確認すると、本来OSPFルータ間で情報の確認に使われるHelloパケットがOSPFルータではないPCに届いているのが確認できます。

 

■課題3

この要件を満たすのはPassive-interfaceです。
各ルータでPCが接続されているインターフェースを指定しましょう。

以下はRT3での例です。

# configure terminal
(config)# router ospf 3
(config-router)# passive-interface FastEthernet0/0
(config-router)# end

 

■課題4/課題5

Helloインターバル変更のコマンドは以下の通りです。
ポイントはグローバルインターフェースモードで設定する、という点です。

# configure terminal
(config)# interface FastEthernet0/1
(config-if)# ip ospf hello-interval 5
(config-if)# end

しばらくすると以下のようなエラーが表示されます。

00:20:10: %OSPF-5-ADJCHG: Process 2, Nbr 4.4.4.4 on FastEthernet0/1 from FULL to DOWN, Neighbor Down: Dead timer expired

細かい表示はさておき、「FULL to DOWN」とありますから、FULLの状態からDOWNになってしまった、ということですね。

また、RT2・RT3だけを変更した状態で、RT2で「show ip ospf neighbor」を実行すると以下のようになります。

同じHello間隔を設定しているRT3だけがネイバーとして認識されています。

 

同様にRT1で「show ip ospf neighbor」を実行すると以下のようになります。

こちらも同じHello間隔であるRT4だけがネイバーとして認識されています。

 

最終的に全てのルータでHello間隔を揃えると、全てのルータから他のすべてのルータがネイバーとして認識できるようになります。

関連するコマンドが下記のテキストに記載されています。
該当箇所は「8-4 OSPFの基本設定」および「8-5 OSPFの検証」です。